合わせガラスとは？

合わせガラスとは2枚の板ガラスに特殊な中間膜を挟んで圧着させた安全ガラスの一種です。

中間膜には、EVA（エチレン酢酸ビニル）やウレタン、PVB（ポリビニルブチラール）などの様々な種類がありますが、なかでもPVB中間膜を使用した合わせガラスは他の材料と比較して、ガラスへの接着性や耐貫通性、耐衝撃性の高さに特長があります。

飛散防止機能から安全性や防犯性が求められる自動車ガラスのフロントガラスやサイドドアウィンドウ、建築ガラスなどにPVB中間膜を使用した合わせガラスが広く採用されています。

積水化学が提供するソリューション

積水化学は合わせガラス用PVB中間膜のグローバルサプライヤーです。合わせガラス用中間膜S-LEC™（エスレック）フィルムは、自動車や建築のニーズに対応する様々なソリューションを提供しています。

合わせガラスの特徴

強化ガラスも安全ガラスの一種です。強化ガラスは、ガラス全体に熱処理をし冷却することで強度を高めた割れにくいガラスです。ガラスが割れたときの飛散防止機能がないため、合わせガラスとは大きな違いがあります。

後張りフィルムも、ガラス飛散防止などの用途に用いられることがありますが、紫外線や気温、結露などによりその機能が劣化すると張り替えが必要になります。

合わせガラスは2枚のガラス板に挟みこまれたPVB中間膜により、衝撃を受けてもガラスの破片が飛散しにくいほか、耐貫通性が高く自動車や建物などの安全や防犯などに役立ちます。それらの機能はガラスの内部にあるため、後張りフィルムとは異なり高い耐久性を持っています。

合わせガラスによるベネフィット

ポリビニルブチラールを主原料とするPVB中間膜には、積水化学のテクノロジーにより多彩な機能と価値を提供できます。

透明性 – クリアな視界を保持
安全性 – ガラス破損時の飛散を防止、衝撃を吸収
防犯性 – ガラスの破壊・貫通を遅延
UVカット – UVを99%以上遮断
デザイン – カラーやグラデーション
遮熱 – 車内・建物内の快適性を向上
遮音 – 外から入り込む騒音を遮断
ヘッドアップディスプレイ適合性 – 映像を鮮明に投影

合わせガラスにこれらの機能・意匠をもつPVB中間膜を使用することにより、安全・防犯だけではない付加価値を持たせることが可能になります。

合わせガラスの用途

自動車ガラス

日本、アメリカ、欧州をはじめとするほとんどの国々で、飛散防止機能や安全性、防犯性が求められる自動車フロントガラスへの合わせガラスの使用が義務化されています。

合わせガラスは自動車の安全性をより高めるだけでなく、UVカット、遮光、遮熱（近赤外線カット）、遮音、調光など、多様な機能が求められるため、サイドドアガラスやパノラマルーフなどその用途はフロントガラス以外にも広がっています。

快適性や意匠性の観点からも、合わせガラスに求められる役割が注目されています。

建築ガラス

魅力的で明るい空間をつくるため、現代建築では大きなガラスを使用することがトレンドになっています。開放的で広い屋内空間に見せるために、ドアや階段、間仕切りなどにもガラスが使われています。

このようなトレンドから、合わせガラスは建築ガラスのガラスファサードやカーテンウォール、ガラスパーテーションなどに広く採用され、安全性や防犯性、透明性のほか、遮熱、遮音、そして建物の特徴を決める意匠性など、様々な付加価値を与えます。

合わせガラスの製造方法

一般的なPVB合わせガラスの製造は次のような工程を踏みます。指定のサイズに切断した2枚の板ガラスの間に、PVB中間膜を挟んで積層し、熱を加えながら空気を抜きガラスと中間膜を仮圧着をします。次に、オートクレーブにそれらガラスを入れ、高温・高圧によりガラスを完全に圧着させます。

このようにガラスとPVB中間膜を一にして成形することにより、1枚ガラスに比べて飛散防止効果が高く、耐貫通性にも優れた合わせガラスになります。

合わせガラス用PVB中間膜のソリューション

積水化学の合わせガラス用PVB中間膜、S-LEC™フィルムは、安全、防犯、UVカット機能に加え、デザインや遮熱（近赤外線カット）、遮音など、自動車や建築ガラスに対して、さまざまなソリューションを提供しています。

デザイン
遮熱
遮音
プレミアムUVブロッキング

デザイン

中間膜の豊富なカラーバリエーションを揃えています。ガラス構成に応じた可視光線透過率（Tvis）や色味のカスタマイズも可能です。

S-LEC™フィルムは、可視光線透過率が2%から70%以上に連続的に変化するワイドグラデーションとの組み合わせも可能です。
フロントガラスやリアガラスに搭載することにより、開放感となめらかなグラデーションによる美しさを演出し、自動車ガラスに先進的なデザインを提供します。

遮熱

S-LEC™遮熱中間膜を使用した合わせガラスは、目に見える可視光線は透過させクリアな視界を保ちつつ、赤外線とUV（紫外線）を遮断します。携帯電話やセンサーの通信に必要な電磁波を遮断することもありません。S-LEC™遮熱中間膜による遮熱ガラスは、車内や室内を涼しく、ジリジリする太陽の日差しから人の肌を守ります。

クリアな視界を維持し、太陽の赤外線を遮断し、その空間を快適にします。

遮音

S-LEC™遮音中間膜は、交通騒音や風切り音などの車外からの騒音を遮断し、ドライバーや同乗者が車内での会話や音楽を楽しめる快適なドライビング環境を提供します。

S-LEC™遮音中間膜は、別の中間膜技術との融合により、遮熱やプライバシーカラーといった様々な機能・デザインとの組み合わせも可能です。

プレミアムUVブロッキング

美容の観点から光老化（太陽光によって引き起こされる老化）を気にして、外から降り注ぐ紫外線（UV）をしっかりカットしてくれるのかを気にする方も。さらに「子どもの弱い肌を日焼けの危険に晒したくない」「紫外線（ UV）から守ってあげたい」と望むファミリー層もいます。このようにガラスに対して、デザインや機能性だけではなく、美容も求められるようになってきています。

S-LEC™ プレミアムUVブロッキングフィルムを使用した合わせガラスは、その高いUVカット性能からUV対策を必要とする人の肌を守ります。