イノベーション
機能性もデザインも自由に

合わせガラス用PVB中間膜とは?

合わせガラスは、2枚のガラスの間に中間膜を挟み、オートクレーブを用いて高温高圧で張り合わせた安全ガラスの一種です。合わせガラス用中間膜にはPVB(ポリビニルブチラール)が広く使用されており、ガラスへの接着性、耐貫通性や耐衝撃性に特長があります。

積水化学の合わせガラス用PVB中間膜、S-LEC(エスレック)™フィルムは、多彩な機能と価値を提供することが可能です。


・透明性 – クリアな視界を保持
・安全性 – ガラス破損時の飛散を防止、衝撃を吸収
・防犯性 – ガラスの破壊・貫通を遅延
・UVカット – UVを99%以上遮断
・デザイン – カラーやグラデーション
・遮熱 – 車内・建物内の快適性を向上
・遮音 – 外から入り込む騒音を遮断
・ヘッドアップディスプレイ – 映像を鮮明に投影

S-LEC(エスレック)™フィルム 開発の歴史

積水化学は、1958年に合わせガラス用PVB中間膜、S-LEC™フィルムを世に出して以来、60年以上に亘り、この技術分野をリードしてきました。PVB中間膜はガラスが衝撃を受けた際の飛散防止を目的に開発されましたが、市場から様々な高機能化やデザイン性のニーズを受け、安全・防犯の機能に加え、紫外線カットや遮熱、遮音、デザイン性、二重像を低減する楔(くさび)形中間膜によるヘッドアップディスプレイ(HUD)対応など、様々な機能を実現してきました。

S-LEC™フィルムは建築・自動車ともに需要が拡がり、時代とともにその用途は進化し続けています。積水化学は自ら新しい価値を創造し、合わせガラスPVB中間膜によって、成長し続ける自動車・建築業界の発展に貢献していきます。

先進的なガラスソリューション

現代建築分野において、開放感や明るさを求めて大型ガラスの採用がトレンドとなっています。一方で、ガラスを透過する強い日差しによる室内の温度上昇や紫外線による肌や大切な物へのダメージが課題となっており、快適性や意匠性などの観点からガラスに求められる役割は拡がっています。また、生活様式の変化やプライバシー保護の観点から遮音性が注目され、とりわけ、昨今の災害対策意識が高まりで重視されているのが安全性です。

S-LEC™遮熱中間膜は、可視光線を遮ることなく熱源となる赤外線を遮断して室内・車内の温度上昇をセーブし、空調の負荷を低減して省エネに貢献。また、S-LEC™ 遮音中間膜は、騒音を大幅に低減し快適な空間を実現します。

合わせガラスイノベーション

S-LEC™フィルムは、自動車合わせガラス用PVB中間膜として、様々なソリューションを提案しています。

ガラス破損時の破片飛散や貫通を防ぐ安全・防犯性に加え、車内へ注ぎ込む紫外線を99%以上カット。肌や大切な物を日焼けのダメージから守ります。多彩なグラデーションやカラーバリエーションを揃え、デザイン性に優れた空間演出も可能です。

EV化が進む大衆車にコネクティビティを損ねないS-LEC™遮熱中間膜を普及させ、その走行距離の延長や、CO2削減などサステイナビリティを目指すのもビジョンのひとつです。

積水化学はこれらの課題解決を目指し、1枚のPVB中間膜に多様なソリューションを取り込む、新たなイノベーションに挑戦しています。

オープンイノベーション

社会課題は複雑化し、要求される機能やデザインは高度になっています。さらに、現代建築や自動車には、空間やエクステリアをより魅力的にする大型ガラスの採用がトレンドとなっており、より機能的で洗練されたガラスが求められています。

S-LEC™フィルムに新たなイノベーションを起こすためには、高度な技術やノウハウ、革新性など、積水化学の強みを生かしながら、社外の情報やリソース、技術を取り込むことが不可欠です。外部の企業や組織とのパートナーシップ構築により、高度な技術展開が可能になります。積水化学は、異業種のテクノロジーを積極的に取り込むオープンイノベーションにより、これまでも、またこれからも、世界中のパートナーとともに日々挑戦し続け、新たな価値を提供してまいります。

グローバル展開

自動車分野では技術革新が進み、建築分野でもデザイン性の高い建材のニーズが高まっています。

積水化学はS-LEC ™フィルムに世界最先端の技術を取り入れるため、合わせガラス用PVB中間膜の研究センターを世界主要地域4カ所(日本・中国・ヨーロッパ・アメリカ)にグローバルに設置し各地域を拠点として展開。トレンドやニーズをはじめ、先進的な技術・情報をいち早く受け取り、合わせガラス用PVB中間膜の高機能化やデザイン性、用途拡大のための技術展開、新製品の企画・開発の強化を可能にしています。

積水化学は、グローバルに展開する開発拠点・パートナーと協業しながら、ビジョンの実現に挑戦します。

未来への挑戦

積水グループは2030年に向けてのビジョンステートメントとして、 “Innovation for the Earth”を掲げています。

事業・製品を通じて社会課題解決し、開発から生産終了までの製品ライフサイクルにおいて、地球・社会のサステナビリティ向上を目指し、地球環境への貢献を目指す製品の創出や拡大に取り組みます。また、ガラスに多彩なバリエーションをプラスすることで、エクステリアに美しいインパクトを与え、インテリアに調和する新しいデザインソリューションを提供し、ガラスメーカーや自動車メーカー等のビジネスを支援します。

積水化学は豊富な経験と実績、専門的な知識を駆使し、イノベーションを起こし続けることで、お客様の新たな挑戦に寄り添い、“未来に続く安心”を創造してまいります。

開発サポート

製品カスタマイズにも柔軟に対応するこで、プロジェクトの設計ステージから自動車・建築ガラスの開発をサポートし、ガラスに求められるデザインや性能、特性に応じて最適なソリューションを提案します。

積水化学はグローバルに事業を展開し、積極的にイノベーションを進めています。プロジェクトにおける具体的な開発やサポート要望に関してお気軽にお問い合わせください。

S-LEC™合わせガラス用中間膜の詳細については、各カタログをダウンロード頂けます。

ソリューション

自動車・建築合わせガラスに対して様々なソリューションを提案します。

  • デザイン
  • 遮熱
  • 遮音
  • プレミアムUVブロッキング
デザイン デザイン

中間膜の豊富なカラーバリエーションを揃えています。ガラス構成に応じた可視光線透過率(Tvis)や色味のカスタマイズも可能です。

S-LEC™フィルムは、可視光線透過率が2%から70%以上に連続的に変化するワイドグラデーションとの組み合わせも可能です。
フロントガラスやリアガラスに搭載することにより、開放感となめらかなグラデーションによる美しさを演出し、自動車ガラスに先進的なデザインを提供します。

遮熱 遮熱

S-LEC™遮熱中間膜を使用した合わせガラスは、目に見える可視光線は透過させクリアな視界を保ちつつ、赤外線とUV(紫外線)を遮断します。携帯電話やセンサーの通信に必要な電磁波を遮断することもありません。S-LEC™遮熱中間膜による遮熱ガラスは、車内や室内を涼しく、ジリジリする太陽の日差しから人の肌を守ります。

クリアな視界を維持し、太陽の赤外線を遮断し、その空間を快適にします。

遮音 遮音

S-LEC™遮音中間膜は、交通騒音や風切り音などの車外からの騒音を遮断し、ドライバーや同乗者が車内での会話や音楽を楽しめる快適なドライビング環境を提供します。

S-LEC™遮音中間膜は、別の中間膜技術との融合により、遮熱やプライバシーカラーといった様々な機能・デザインとの組み合わせも可能です。

プレミアムUVブロッキング プレミアムUVブロッキング

美容の観点から光老化(太陽光によって引き起こされる老化) を気にして、外から降り注ぐ紫外線(UV) をしっかりカットしてくれるのかを気にする方も。さらに「子どもの弱い肌を日焼けの危険に晒したくない」「紫外線( UV) から守ってあげたい」と望むファミリー層もいます。このようにガラスに対して、デザインや機能性だけではなく、美容も求められるようになってきています。

S-LEC™ プレミアムUVブロッキングフィルムを使用した合わせガラスは、その高いUVカット性能からUV対策を必要とする人の肌を守ります。